だからRC台風とつきあう

台風‥安心してすごす

沖縄に棲む私たちにとって、台風におけるRC造の恩恵は何よりも大きかった事がRC造住宅の最も大きな要因ではないでしょうか。
戦後、米軍の建築技術の普及により、RC造(鉄筋コンクリート)建築が
住宅でも一般化しました、戦後の木材調達の要因もひとつですが
台風対策、建物の修繕(管理)の容易さ、何よりも、家族が家で安心して過ごせるRC造住宅は、沖縄の台風の過ごし方を大きく変えたのです。

超大型台風に‥強固躯体

台風、その時に家族が最も安心して過ごせるのが、RC造だとは言えます。
建築物を扱っている私たちは、簡単に『安心です』とは言えません。
はっきり言って、近年の台風の被害は未知数です。
それこそ、5月に始まり11月まで、年中台風が縦断していきます。
四方八方から身を守らなければならない戸建住宅は、集合住宅で経験する台風とは
桁違いの恐ろしさです。窓がガタガタ揺れて怖い事もあります。
飛来物で窓ガラスが割れるかも…という恐怖もあります。
それでも躯体は、よほどの暴風暴雨には耐えられるのがRC造です。
風速90m/sとも100m/sともいわれる、先人たちが経験したことのない台風が来る
といわれる沖縄で、台風とどう付き合っていくか、家造りの大きなポイントです。

台風一過に‥メンテナンス

メンテナンスを行えば、安心を次の世代に繋ぐことができます。
長時間、四方八方から暴風暴雨にさらされる恐怖は、一戸建てマイホームという
大切な資産を持ったからこそのものですが、借家では感じなかったのが、=お金です。
防水…より永く住むために、最低限のメンテナンス
10年毎を目安に外壁塗装、防水塗装、窓周りのコーキング材取換え等があげられますが
建物の管理の容易さは、長く住むからこそ重要なポイントです。
台風一過、建物に付いた海水をホースで洗い流す光景は、持ち家ならではです。
これも、資産を守る、大切な日々のメンテナンスです。

耐火性能

コンクリートは不燃材料ですので、木造、鉄骨造より比較的耐火性が高いと言えます。
火災で黒くなり、内部が全焼した建物でも、コンクリート内部の鉄筋に影響が少なければ
外壁塗装と、内部仕上げをするだけで、躯体を使い続けられます。
阪神淡路大震災では、地震火災による被害も大きく、地震による火災には
火災保険が適用されない事は、震災後、大きな波紋をよびました。

耐震性能‥RC壁式構造

東日本大震災、鬼怒川の決壊など、取り残されたようにRC造の建物が泥水に残った
映像は、建築に携わる者にとって、RC造である必要性を確信するものでした。
RC造の中でも壁式構造は、低層建物において耐震性に優れています。
阪神淡路大震災の調査から、損傷・倒壊の被害が最も少なかった構造がRC造ですが
地震力を面で支え、分散させて逃がすRC壁式構造は、より高い耐震性能を発揮します。

遮音性能

建物内外の遮音、上下階の生活の音も遮音します。

だけどRC値段=品質

材料と工法

値段の理由は躯体です。アルミサッシ、仕上材料などの躯体構造でも大差はありません。
私どもは、RC壁式構造の中でも、全て現場打ちのコンクリート流し込みで施工するため
周知の通り、コンクリートの重量は相当のもので、生コン1m角の立方体で2300㎏
輸送費、人件費だけでも高額になり、型となるベニヤ板、鉄筋、土工事、足場
さらに、地中にある基礎は、躯体を支える最も重要な部分であり、平屋建てでは
実に、地上に見えるコンクリートと、ほぼ同量のコンクリート基礎で支えています。
工期も長い分、人件費もかかります。建物に現れないコストが工事費の大半を占めます。

パイル工事‥鋼管杭

同じ敷地でも、バランスの良い建物の平面計画で、杭にかかる費用が違ってきます。
その、重い建物を支える地盤も強固でなければならない為、土質調査により
杭工事が必要か決定します。杭工事が必要=軟弱地盤ではありません。
重い躯体を支え、建物重量、地震力、風圧を地盤(支持層)まで伝えるのが杭です。
当初の予想以上に、予算がかかる場合は、設計プランの見直しをします。
また、杭基礎以外の適切な基礎も選定し、より経済的な設計プランを提案します。

結露

コンクリートは気密性が高く、蓄熱性も高い為、冬場の外気と室内の気温差が
大きい場合、とくに、内部に面したコンクリートがむき出しの壁などでは
結露が発生しやすくなりますが、住む人の生活に起因する場合も多く
日々の換気は、建物の持ちに大きく影響します。
室内側コンクリートとクロス仕上の間に空気層つくることで、断熱になり
結露を発生しにくい施工をしています。

メンテナンス

賃貸住宅では、かからなかった維持管理があります。
計画的にできるメンテナンス、不意にかかるメンテナンスがあります。
コンクリートは収縮が安定するまで最低1~2年はかかるといわれており、
外壁にクラック(ひび割れ)が入ることがありますが、ほとんどは躯体への影響のない
コンクリートの収縮によるクラックで、直ちに補修をして鉄筋の腐食を防ぎます。
雨漏り被害の主な原因となる開口部周りのクラック、経年劣化によるクラックも同様です。
台風による雨漏りは少なく、ほとんどは、台風の大雨により雨漏りに気が付いた
となる事からも、クラックは、見つけたら直ちに補修をしなければなりません。
躯体の構造は、=メンテンスの頻度にも影響します。

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